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現実逃避としての魔法、という言葉がこの作品を形容するのに最も適した言葉だろう。連れ子として大尉のもとにやって来たオフェリアは、横暴な大尉と妊娠で苦しむ母親の間で戸惑いを隠せない。そんな中見つけた妖精に導かれ、地下の世界への入り口があること、自分がその世界の王女の生まれ変わりであること、入り口に入るには３つの試練を乗り越える必要があることを知る。最初、王道のファンタジーを想定して見ていた私は、この時点で様子が異なることを察知した。つまり、異世界へ入った主人公が異世界で行動を起こすのではなく、異世界へ入る前段階が描かれることになるのだ。このことは、本作品が他とは一線を画す特徴である「リアルとファンタジーの併存」に大きく関わってくる。オフェリアが３つの試練を課された後も、その試練の過程のみを追うのではなく、軍の拠点内における出来事が少なからず描かれる。言い換えれば、オフェリアは試練をこなしながらも、大尉や母親との実生活をこなすという風に、リアルとファンタジーを交互に行き来しているのだ。しかし、これはあくまでオフェリアの視点で捉えた物語の一面に過ぎない。フォーカスを引いて改めて眺めてみると、受けとめたくない現実からの逃避としての魔法の世界、という見方が妥当に思えてくるだろう。そしてそれは逃避であると同時に、現実の出来事に対する「正当化」としても考えることができる。「現実がこうであれば」という仮定に基づくファンタジー。「現実がこうなのは」という正当化のためのファンタジー。このように、本作がファンタジーのためのファンタジーでない部分にこそ、私たちが思い描くファンタジーのイメージを揺らがせる力がある。最後の場面は、まさにその象徴だ。

ミュージシャンが主役でライブシーンもマァマァ有るのに、カメラワーク、演出、編集が全く持って格好悪い。音楽の事何も知らない人達が作ってるんだろう。それを除いても脚本、演出が酷すぎる。何がしたいのか何を訴えたいのか制作者達は何一つ理解してないから再現ドラマみたいな物語しか展開出来ていない。監督は何を持って演出だとお考えなのか？ラストの親子の「バンバン」には流石に仰け反ってしまった。学生映画かよ。おまけに曲がりなりにも主役はNO1ソウルセットの渡辺氏で有る。井ノ原氏はファッションはかなり本人に寄せて頑張っている。ならあの美術はいくら何でもセンス無さすぎるだろう。ジャニーズファン以外の方は見ない事を強くお勧めするこの監督はダメだ。映画作りが下手過ぎる

前々からずっと観たかった作品でようやく視聴できました。最後まで見た時結構ショックでしたが、考察した時に個人的にはハッピーエンドな方かなとは思いました。考察の余地があるのがいいなぁと。見終わった時のモヤっと感が嫌な人には向いていないかもですね、クリーチャー好きには一目見るだけでも価値ある作品だと思います。

このDVD、深夜に見たのですが、魂が鷲づかみされ、見終わった後も朝まで眠れなかった。翌日の夜にも再見しましたが、もう冒頭から滂沱の涙。この映画に完全に魅せられ、魂が虜。なんといっても主人公の無垢で好奇心旺盛な少女が素晴らしい。表情も小さな体つきも「凛とした」佇まいが堪らない（なんか「野生の証明」の薬師丸ひろ子を連想、「守ってあげないといけないんだ」という石橋蓮司の昨夏のテレビでの発言が思いだされる）。パン（獣神）に地下王国の王女の生まれ変わりと告げられ、パンや妖精に導かれて冥界の迷宮を巡る三つの試練に挑むのだが、古木の地下の大蛙の化け物（監督の顔にソックリ）を退治し、迷宮の目玉の無い（手のひらにくっつける）人食い化け物（この妖怪、日本の浮世絵とかになかったっけ？）の追跡をかわして、二つ目の試練まで斬り抜ける。無垢な少女の泥まみれになりながらの「地獄巡り」って薬師丸の「セーラー服と機関銃」を連想（すいません、度々、ファンなので）。それにしても、少女の置かれた「現実界」が凄まじい。スペイン内戦で社会主義ゲリラ退治の最前線のファシスト軍の田舎の拠点の屋敷に、現地司令官（大尉）と結婚した母親に連れられ、やってくる。大尉や家族の身の回りの世話をする女・メルセデス、顔つきがちょっと妖怪人間っぽいが（フィーフィーそっくり）、愛する弟のいるゲリラに内通し、村医者と共にゲリラに薬や食料を融通している。ゲリラとファシスト軍の戦闘は激しさを増し、メルセデスと村医者が「現実界の迷宮」で「化け物」による危機をかわしながら「実に厳しい冒険」をしている事情が次第に明らかになる。共に悲しい境遇のメルセデスが少女に歌って聞かせる子守唄がマジに泣ける。最後の三つ目の試練が、まさにこの「現実界」の化け物（大尉）との対決だ。村医者は正体がばれて殺され、少女と一緒に逃げるメルセデスも捕まるのだが、ここで「大尉」のマジに化け物めいた姿が明らかになる。スタイリッシュで冷酷非道の「大尉」の造形が凄い（口裂けを縫うシーンはCG？特殊メイク？）。そして、大尉、メルセデス、少女にゲリラも加わり、大団円を迎える。冥界と現実界の交差する迷宮で、最後に少女は死んでしまう。嗚呼、無垢な少女の死顔に涙が止まらない（「野生の証明」の薬師丸の死顔を連想、すいません、度々）。このラストってどうなの、っていう意見もあるだろう（これってハッピーエンド？地下王国で生きる少女は幸せなの？）。スペイン内戦の話とファンタジーの世界を一緒にするなって意見もありえる（史実的にはスペイン内戦のゲリラ側にも「スターリンの手下」と言う化け物はいた）。しかし、「現実界の人間が一番恐ろしい」「幽霊や妖怪なんて怖くない、友達だ」っていう、この監督の世界観（水木しげると同じ、ブラボー！）が典型的に描かれており、この世の真実の一端を抉っている。これって「野生の証明」もそうだったよな（軍隊の暴虐の話、って、度々すいません）。

映画館で観たかったんですが観る時間帯がなくなって観れませんでしたのでブルーレイを買いました。

この物語の時代背景は全く救いのない戦争の只中。本来なら夢物語に心躍らせてはしゃいでいるはずの少女が暗い現実の中でその夢物語の中に一筋の希望の欠片を見つける。自分の絶望的な状況と痛みも暴力も悲しみもない夢の王国とを必死に入れ替えようと奔走し、現実の世界では悲劇的な最期を迎えるも夢の世界ではついに希望の光を手に入れる・・なんとも物悲しい少女の夢のお話しである。

トテモ気に入りましたです。

これは、皆さん見るべき！！！映画でも見ましたが良かったぁ（泣）豪華版が買えなくても（売り切れで）通常版でも、いいですょ！！！

昔、ホラー映画にハマっていた時に、某個人ブログで残酷描写有り、みたいな感じで紹介されていたんですが、その時は残酷描写が目的でレンタルで観たので、当時は余り期待していた程では無かった感じだったのですが,パシフィックリムと監督が同じなので現品購入しました。改めて観ると、色々な意味で「新しい」作品で、発想の素晴らしさが所々に見られます。何度も観たい映画です。

戦争の最中、妊婦の母親とその連れ子（主人公の少女）が母親の再婚相手である冷酷な陸軍大尉の軍隊へ合流するところから物語が始まります。戦争時にあったであろう残酷な現実が描写されているので子供は見ないほうがいいでしょう。上映当時、女友達と行った映画館(デート？）で観て悲しい結末に涙が止まらなかったことをよく覚えています。その後、その女性とは連絡が取れなくなりました。おそらく女々しい男とでも思ったのでしょう。その彼女は大した感想もなくつまらなそうでしたので。そのように感じる人もいるのでしょうが少なくとも僕には衝撃でした。今まで見た映画の中でとても印象的だったのを思い出しました。